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お見舞いに「あえて行かない」という優しさ

病院のベッド

お釈迦さま

小林正観さんのお話に、次のようなお話があります。

旦那と離婚したいです。

小林正観さんのところに、とある50代の女性が相談に行きました。
その女性は、ご主人と離婚したいというのです。

その理由を聞いてみると、ご主人の古くからの友人が、ガンで闘病生活を過ごしており、
そして、もう寿命も長くないところまできていたようです。

女性はご主人に「お見舞いに行ってあげたら」と何度か言ったようです。
ところが、ご主人は「見舞いには行かない」の一点張りでした。

女性は「こんな薄情はくじょうな人間だとは思わなかった。心底見損なった。だから離婚したいんです。」と小林正観さんに相談したようです。

そこで正観さんは言いました。

もし、ご主人と闘病中の男性が、付き合いが深ければ深いほど、
当時のその男性が、ガキ大将のイメージが強ければ強いほど、「やせ細って、別人のようになってしまった友人を見たくないのではないでしょうか」

また、抗がん剤を飲んで辛くて大変な状態でも、見舞客が来たとなればお客の前ではムリをしてでも元気に振る舞わないといけない。
そうさせてしまうのが、気の毒だから「あえて行かない」そのように考えているのではないでしょうか。

それを聞いた女性は

「そんな、考え方もあるのですね。家に帰ってから、主人に聞いてみます」と言って、帰っていったようです。

それから3ヶ月後

その女性と小林正観さんが、再び会う機会がありました。
その女性いわく、前回のことをご主人に聞いてみたところ、「まったくそのとおりだ。だからお見舞いに行かないんだ」と答えたようです。
そして、女性は離婚するどころか、「なんて心の優しい人だと」今まで以上に惚れ込んだとおっしゃっていたようです。

優しさにはいろんな形がある

小林正観さんは、優しさにはいろんな形があり、本当に奥深いものだとおっしゃっていました。
似たような話に、次のようなものがあります。

小林正観さんとのお茶会の中で、みんなでお金を出し合って「お菓子や食べ物」を買って、食べながら話そうとなったようです。
しかし、ある女性が「お金がないから私は出せません。」と言ったようです。
その女性は、1000円しか持っておらず、帰りの電車賃に800円が必要とのことでした。

そこで、正観さんは200円を払うように言ったようです。

もちろん、200円が欲しかったのではありません。
もし、その女性が1円も払ってなかったら、お菓子・食べ物に一切、口をつけなかったでしょう。
ところが、200円払ったことにより、みんなと同じように、食べたり飲んだりして、会話を楽しめたのです。
このような、優しさもあるとのことでした。

まとめ

一見して、優しさというものが、人によっては「薄情だ!間違っている!」と捉えられることもあります。
重要なのは、いついかなる時でも、自分の価値観で判断しないこと。
そうすれば、楽に生きられるのだとお釈迦様や正観さんが教えてくれているのです。