動画で解説
このページの内容を簡単に動画で紹介ています。
人間の価値とはどうやって決まるのでしょうか
立派な人になることでしょうか
お金を稼いで人よりもいい暮らしをすることでしょうか
もし人間の価値というものが
人間同士を比べて決まるのだとしたら
人よりも努力をして
人よりも好成績を残す必要があります
事実、私たちは
私たちは、小・中・高・大学
そして社会に出てからも
・人間は努力することが尊い
・努力しないものは価値がない
という価値観を教え込まれてきました
ですが、心学研究家「小林正観さん」は
「人間の価値は違うところにある」と言いました
ではそのことがわかる
感動的なエピソードをご紹介します
知的障害者の長女
正観さんはご自身の著書や講演会の中で
長女(慶子ちゃん)が知的障害者だと紹介されています
実はこの慶子ちゃんの存在こそが
正観さんの人生観を変えてしまった張本人なのです
慶子ちゃんが小学6年生のとき、
運動会の徒競走が予定されていました
慶子ちゃんは筋力が弱く毎年ビリだった
運動会に行く日の朝、
(正観さんは仕事で運動会には行かなかったのですが)
奥様が「初めてビリじゃないかもしれない」と言いました
理由は 同級生の女の子が
捻挫をしてまともに走れない状態だったからです
誰もが徒競走には出ないだろうと思っていたのに
本人が「どうしても出たい」とのことで
慶子ちゃんが走る最終組で一緒になりました
はたして結果はどうなったのでしょうか…
運動会が終わって夕方、
奥様はニコニコして帰ってきました
正観さんが「どうだった?」と尋ねると
満面の笑みで「それがまたビリだったのよね」というお返事
どういう経緯か詳しく聞いてみると
徒競走が始まり
慶子ちゃんは後ろを振り返りながら
捻挫した子を 気にかけながら走っていました
自分のことより、
友だちが無事にゴールできるかを心配していた
その時です
捻挫した子が 足をかばうあまり転んでしまいました
すると、慶子ちゃんは
逆走して 「大丈夫?」といって
その子の肩を支え
一緒にゴールに向かいました
ゴールの寸前で、
捻挫した子の肩を軽く押して
その子を先にゴールさせたのです
その姿をみた保護者2500人くらいが
みな立ち上がり 拍手をして応援してくださったとのことでした
そんなことがあり 奥様は
「それでまたビリだったのよね。そういう子だもんね」と満面の笑みで言ったのでした
まわりを変えた慶子ちゃん
正観さんは言います
慶子ちゃんは、努力も頑張りもしません
もし 「努力や頑張りをしない人間は価値がない」という基準だけで計れば
慶子ちゃんは価値がないことになってしまいます
ですが、慶子ちゃんには「別の価値があった」
なぜなら
慶子ちゃんのクラスメイトはみなとても優しい子に育った
慶子ちゃんの存在が、クラスメイトを優しくしてしまったのです
慶子ちゃんはいつもニコニコして
楽しそうに幸せそうに暮らしている
ただそこにいるだけで
まわりの人を幸せに感じさせてくれる存在
慶子ちゃんはどんなときでも
競わない・比べない・争わない子
自分よりも立場の弱い子を見つけては助けようとする子
そういうのを見てきたクラスメイトは
いつしか「慶子ちゃんを助けよう」と思う
優しい子になったそうです
いちばん美しい「ありがとう」
正観さんいわく
「小林家でいちばん美しく「ありがとう」が言えるのは慶子ちゃん」 とのこと
幼い頃から、正観さんご夫婦が
たくさん「ありがとう」を言うため
いつしか慶子ちゃんも「ありがとう」をたくさん言う子になった
さらに「ありがとう」を言うときは、
体を90°に曲げて お辞儀をする仕草がとても可愛いのだとか
小学校6年生の 最後の通知表には、
校長先生から「慶子ちゃんの笑顔とありがとうという言葉は、学校の中で最高のものでした
これほど笑顔と ありがとうの言葉が似合う子どもはいなかった」と
お褒めの言葉が書かれていたそうです
正観さんはいつしか
「この子は人間が生まれながらに持ち合わせている 優しい心を呼び起こすために生まれてきたのではないだろうか」と考えるようになりました。
人間の価値は違うところにある
「努力をしないやつはバカだ」
「競って比べて 一番になれ」
「負けてはいけない」
「成功しなければならない」
と教え込まされてきました
しかし、
正観さんは慶子ちゃんによって悟ったのです
人間の価値は違うところにある
人間は努力しなくてもいいのではないか
存在しているだけで価値があるのではないか
その人が存在しているだけで心が温まって
優しい気持ちになれるなら
その人は価値があるのではないでしょうか
慶子ちゃんが教えに来てくれたんだと
正観さんは著書で述べられていました
最後に
最後に正観さんの言葉でお別れしましょう
人間の価値というのは
ありとあらゆる視点に立てば
実に多様に存在しています
努力をすることを好む人がいてもいいですが
努力だけが 唯一の価値ではないでしょう
基本的にどこに、どのような形でもいい
すべての人は喜ばれるために存在する
一人ひとり そこに存在してくださっていることに「ありがとう」なのです
すごい功績を残さなくてもいい
ただそこに、あなたが あなたでいてくれるだけで
喜ばれているかもしれない
それだけでいいのです…
以上、正観さんの「あなたがこの世に生まれてくれてありがとう」というお話でした
参考にさせていただいた書籍↓