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私たちは、ひどいことをした相手を
そう簡単に許すことはできません
許したほうがラクなのはわかっていても
なかなか許せないことだってあります
このページでは「許す見方」を5つのテーマにわけて紹介しますので
最後までご覧になっていただけたら嬉しいです
仮に許してみる
心学研究家「小林
心から許さなくてもいいから仮に許してみる
すると、それまで相手に対して
トゲトゲしく攻撃的だった自分が
穏やかになる
「許した」状態は もう怒っていない
トゲトゲしていない
イライラしていない
そしたら、
「許せない」と思っていた時には
考えられなかった次のことが起こり始める
胃のあたりのモヤモヤがなくなり胃腸がラク
食欲が増してご飯が美味しくなる
憂うつな気分がなくなる
気持ちがスッキリする
明るく前向きに生きられる
許す得
「許さない」という憎しみは
自分の心にもトゲを刺している
そのトゲがストレスとなり、心と体を痛めてしまう
ですから「許す」(トゲを抜くと)
自分も痛みから解放される
じゃあ 「許すこと」で誰が1番 得したのか
最も得するのは自分なんです
心と体だけではありません
イライラに時間を浪費することもなくなる
タイム・イズ・マネー(時は金なり)
という言葉があるように
「許す」と人生が かなり得なんです
ですから損得勘定で許すのもアリなんです
人格を鍛えて「許す徳」を身につけるのもいいですが
そうではなく
許すと自分が得だから「許す得」と考えたほうが
遥かに実践しやすいでしょ というのが正観さん流
おまけに 損得勘定で許したとしても
あたかも「人格の徳」で許したように
周りからは見えるので 究極の損得勘定なんです
腑に落ちて納まったとき
納得と言います
もしかしたら、私たちの知る偉人や哲学者たちも
この損得勘定に気づいてしまったがゆえに
怒るのをやめた 恨むのをやめたことが
偉人となったきっかけかもしれません
お釈迦さま
それはもう人格者としての徳を積んでいることになるのです
最大の復讐
私たちは 憎む相手に 復讐心を持ってしまいます
ですが、哲学者エピクテトスは言いました
許すことは復讐に勝る
もし 相手を「許す」ことができたら
「自分」は幸せになれますよね
許さないと「自分」はいつまでも囚われた心のまま
実は最大の復讐(相手を見返すこと)となる
それだけでなく「許す」という行為は
慈悲の心でもありますから
復讐よりも より次元が高い意味で 「勝る」とも言える
敵を増やすかもしれない
犯罪者に自分がなってしまうかもしれない
これらをすべてひっくるめて
許すことは復讐に勝るのです
記憶から消したい人間
誰しも 「記憶から消してしまいたい」人間の
1人や2人はいることでしょう
実は、あの正観さんも35歳のとき
「記憶から消したい人間」が2人いたそうです
許そうと思えば、許すことができるけど
でもこの2人だけは「許しなくない」と
16年もの間 封印し続けてきたそうです
ですが 心の勉強を続けるうち
気がついてしまった
この2人に 謝ったり 頭を下げることは到底できないが
2人のおかげで 自分がどれだけ成長できたか
パワーアップしたことか
今の自分があるのは 2人のおかげでもある
そう考えたら 謝るのは無理でも
感謝することはできる
ですから もしあなたに許せない人がいても
感謝という切り口で
その人を見つめてみたらどうか
感謝ならできるかもしれない
なぜならその人のおかげもあって成長できたからです
今の我慢強いあなた
辛いことがあっても 笑顔で過ごせるあなたの人格は
つらい経験によるおかげでもある
そして 感謝できたら、
恨み・憎しみの対象はいなくなってしまうのです
視点を変えて許す
「特別ひどいことをされた相手」にかぎっては
なかなか許すことはできません
ですが、
内観とは 自分の心を内面的に観察すること
「瞑想の森・内観研修所」での実例を紹介します
(瞑想の森・内観研修所の初代所長が
内観をしに37歳の女性がやって来ました
難病である「
呼吸をするのも苦しく
体の節々が痛み
手足がしびれ
医者からは 「あと2年の命」と言われていた
彼女には 長年 許せない人間がいた
それは実の父親
なぜなら、彼女が28の時
父親が 彼女の母親を包丁で殺害したから
愛する母を殺し、家庭をめちゃめちゃにした父を許せない
結婚できないのも
父が殺人犯という烙印を押されたから
という恨みを持ち続けていた
それが次第に体に現れ
膠原病に苦しむようになった
「確かにお父さんは大変なことをしでかしたのでしょうが
それ以前のお父さんはそうではなかったでしょう
そこに焦点を当ててみましょう」
彼女は小学校・中学校・高校と
当時の父の様子を思い出していった
柳田先生はさらに尋ねました
「お父さんに対して あなたは何をして お返ししましたか?」
彼女はその質問に答えられなかった
むしろ 文句を言っていた自分に気づいた
さらに柳田先生に促されて「次のこと」を計算し始めた。
今までの生活費などを
いくら支払ってきたかを計算したら
ざっと2億円だとわかった
でも 父は娘に恩着せがましいことは一言も言わず
身を粉にして働いて
育ててくれたことを思い出した
「ああ 私はなんと恩知らずだったことか」
「申し訳なかった 許してほしい」
彼女の目から 涙がはらはらとこぼれた
こうして彼女の心に変化が起こりだした
父と母の仲が冷えて
互いに憎むようになったことも同情できた
次第に家族から孤立していった父に
何もしてやれなかったことを申し訳なくさえ思ってきた
「あのとき 私がもっと、父のことを理解してあげていれば
両親の仲を取り持つことができたかもしれない」
そうやって一週間 内観を繰り返すうち
彼女は別人のようになった
息切れが治り 健康な人と変わらなくなった
忘れていた「爽やかさ」を取り戻せた
「許さない人」は神経も張り詰めているので
体に不調が起こります
ゆるんだ人は 心も体も ラクになっていくようです
最後に
お釈迦さま
・得だから許す
・復讐より勝るから許す
・感謝で許す
・視点を変えて許す(内観)
どの方法でも構いません
もし許せない人がいたら 許してみてはいかがでしょうか
いずれの方法であっても
許した人は徳を積み
自分が幸せになれるみたいです
許すことで過去を変えることはできない。
しかし、間違いなく、未来を変えることはできる。
(米国の弁護士、1914~2007)
「人を許すはよし、忘れることはさらによし」
参考にさせていただいた書籍↓